秋の澄んだ空が、まるで絵の具を溶かしたような青さで広がっていた。
東京海洋大学・越中島キャンパスの芝生には、色づき始めた木々が並び、黄色や赤の葉がゆっくりと揺れている。
その日、芝生には多くの人が集まっていた。
学生たちは折りたたみ椅子を広げ、友人と語り合いながら昼の光を楽しんでいる。
芝生の上には小さなグループが点在し、まるでゆるやかな島々のように広がっていた。
遠くから見ると、東京という大都市の中にあるとは思えないほど、静かな時間が流れている。
その中を、一人の女性が赤いベビーカーを押しながら歩いていた。
ゆっくり、ゆっくりと芝生の横の道を進んでいく。
赤ちゃんは空を見上げている。
そこには、白い雲が風に乗って流れていた。
もしかすると、その雲の向こうを、かつてライト兄弟が夢見た「空の旅」が今も続いているのかもしれない。
東京の空は、今日も静かに人々を見守っていた。

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