ライト兄弟ニュースは、2,000回の投稿を迎えました。記念特集では、現代写真家 Yusuke F本人のポートレート1点と撮影された16作品を紹介します。光、影、水、街、静かな時間。その一枚一枚に宿る視線を、4つの章に分けてお届けします。
Yusuke Fの写真には、光の方向や空間の余白に視線を残す姿勢があります。人物の顔が見えない場面でも、背中や手元、そこに落ちる光から、撮影者が見つめた時間が伝わってきます。本特集では、16作品に表れたその視線に焦点を当てます。

第1章 | The Girl I Left in the Light
誰にも言わずに泣いた夜を、まだ覚えていますか。少女だった頃、窓辺の光も、水面の揺れも、胸の奥にある寂しささえ、いつか誰かが見つけてくれると思っていた。けれど大人になった私たちは、泣かない方法ばかり覚えてしまった。待つことをやめ、平気な顔で朝を迎えることを覚えた。あの頃の自分は、もう戻ってこない。そう思っていたのに、写真の中の背中は、光の向こうでまだ立ち止まっている。忘れたふりをしていた夢も、言えなかった言葉も、触れられなかった未来も、そこに置き去りにされたまま。——今は、昔のわたしに会いに行く。




作品名:現代写真家 Yusuke F|第1章 | The Girl I Left in the Light|掲載:ライト兄弟ニュース
第2章 | The Seasons That Left Without Goodbye
季節は、別れの言葉をくれないまま、わたしの前を通り過ぎていく。雪に残った足跡は消え、水の中へ伸ばした手は届かず、落ちた葉は風にさらわれ、桜の下を歩く背中も、いつの間にか見えなくなった。帰れば灯りがついていて、呼べば返事があって、そこにいることが永遠に続くと思っていた。けれど、ある日から、もう聞けない声がある。もう座らない椅子がある。もう一度だけ触れたい手がある。写真の中の季節は、あの日のまま止まっている。——わたしは今日も、帰る場所ではなく、帰れなくなった人のもとへ歩いている。




作品名:現代写真家 Yusuke F|第2章 | The Seasons That Left Without Goodbye|掲載:ライト兄弟ニュース
第3章 | Stop Time, Now
あの人に会えなくなってからも、季節だけは、何事もなかったように進んでいく。花は咲き、祭りの光は揺れ、風は髪を攫っていく。私だけが、言えなかった「好き」を抱えたまま、あの日の帰り道に置き去りにされている。写真の中で、背中はまだ振り返らない。だから、もう一度だけ願う。戻れないと知っている、あの瞬間を。今すぐ、この時間だけを止めて。




作品名:現代写真家 Yusuke F|第3章 | Stop The Time, Now|掲載:ライト兄弟ニュース
第4章 | After You
大人になって、やっとわかった。わたしが泣いた夜に、あなたがそばにいてくれたこと。転んだとき、何も言わず見守ってくれたこと。わたしの明るい未来を、自分のことのように願ってくれていたこと。あの頃のわたしは、それを愛と呼ばず、ただの毎日だと思っていた。言えなかった、たくさんの「ありがとう」を抱えたまま、あなたはいなくなった。今でも、あなたの声を聞きたくなる。もう一度だけ、あの頃のように、わたしの隣にいてほしくなる。寂しさは消えない。でも、寂しいままでも朝を迎えられることを、わたしは少しずつ覚えてきた。笑えるようになったから、愛が薄れたわけでもない。あなたからもらった優しさを、今度はわたしが、目の前の誰かへ渡していく。あなたの愛が、わたしの中だけで終わらないように。——あなたのいない明日を、あなたがくれた愛とともに、わたしは生きていく。遅すぎるけれど、わたしを愛してくれてありがとう。




作品名:現代写真家 Yusuke F|第4章 | After You|掲載:ライト兄弟ニュース
Instagram:Photographer Yusuke F

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