スニーカーのまま、大人になる。世界の20代が「学生」から「ビジネスマン」に変わる瞬間

赤いネオンが流れる夜の街を、一人の若者が歩いている。足元は革靴ではなく、まだ学生時代の匂いを残したスニーカー。けれど、黒いパンツの裾と前へ進む速度は、もう次の世界へ入っていることを示している。

世界中の20代はいま、同じような境目に立っている。大学のキャンパス、アルバイト、友人との夜更かし、自由な服装。そこから突然、会議、締切、名刺、責任、成果という言葉が日常に入り込む。

変化は、ある朝いきなり起きるわけではない。
最初は靴だけが学生のまま残る。
次に、話し方が少し変わる。
そして、時間の使い方が変わる。
最後に、自分の名前で判断される瞬間がやってくる。

アメリカの若者なら、インターンからスタートアップへ。ヨーロッパの若者なら、大学院と仕事を行き来しながらキャリアを選ぶ。中国やインドの20代なら、激しい競争の中で専門性を磨き、日本の20代なら、就職活動を経て「社会人」という肩書きを背負う。

しかし、国が違っても共通していることがある。
それは、20代が「何者かになる前の最後の自由」と「何者かにならなければならない焦り」の両方を抱えていることだ。

この写真のスニーカーは、その象徴に見える。
まだ完全にはビジネスマンになりきっていない。けれど、もう学生の場所にも戻っていない。ネオンの光は、都市のスピード、情報の洪水、キャリア競争の熱を映している。

いまの20代にとって、成功とは必ずしもスーツを着ることではない。リモートワーク、AI、個人ブランド、副業、海外就職、起業。ビジネスマンの姿は、かつてよりずっと多様になった。

だからこそ、この一歩には意味がある。
革靴に履き替えることではなく、自分の足で進むこと。
学生時代の感性を捨てることではなく、それを仕事の武器に変えること。
若さを隠すことではなく、若さを責任に変えること。

世界の20代は、いまも夜の街を歩いている。
不安を抱えながら、少し背伸びをしながら、それでも前へ進んでいる。
その足元がスニーカーでも、もう彼らは次の時代のビジネスマンなのだ。

注釈
クロス・マーケティング「スニーカーに関する調査(2026年)」によると、全国20〜69歳男女のうち、スニーカーを週1日以上履く人は全体で74.7%。年代・性別では、男性20代が78.2%、男性30代が74.5%、男性40代が73.6%、男性50代が69.1%、男性60代が75.5%。女性20代が75.5%、女性30代が78.2%、女性40代が80.0%、女性50代が71.8%、女性60代が70.9%だった。なお、20代男性は「ほぼ毎日」履く人が42.7%、「週1日以上」では78.2%。


出典:クロス・マーケティング「スニーカーに関する調査(2026年)」、調査期間2026年4月3日〜5日、有効回答数1,100人。
https://www.cross-m.co.jp/report/trend-eye/20260408sneakers

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