第1回に続き、今回の勉強会にも皆様がご参加いただけたこと、そして現役東大生・東大OBから、受験に関する悩みや不安に対して直接アドバイスを受けられる機会を設けられたことに、深い意義を感じました。
未来を担う子どもたちのために、自らの経験を惜しみなく共有しようとする登壇者武林秀征氏ならびに島谷悟氏の姿勢には、心から敬意を表します。特に、悩める受験生の保護者に寄り添い、無償で知見を提供するその行動力と精神に、私は拍手を送りたいと思います。
本勉強会を通じて得た最も大きな学びの一つは、「子どもへの関わり方は、その発達段階や性別によって異なる配慮が求められる」という点でした。中学受験・高校受験・大学受験、それぞれのタイミングで適切な接し方を見極めることの重要性、そして、講師のみならず参加者同士の声に耳を傾ける場の価値を、あらためて実感しました。
この経験を踏まえ、次回は対象を「受験生本人」ではなく「その保護者」に絞った勉強会の開催こそ、企画意義があると考え実践行動していきたいと考えています。
ナレッジトランスファー(Knowledge Transfer)、教育・啓発活動(Education and Awareness-Raising Activities)の分野も、日本では灘中・灘高・東大生がリードしていただけることに、ありがたみを噛みしめながら感想をまとめます。
積極的にご参加くださった皆様、そして無償で本勉強会を主催してくださった株式会社ロマネスジャパン様に、厚く御礼申し上げます。
<肝心のセミナー内容は下記をご一読ください>


武林氏の勉強法と経験
武林氏は自身の経歴と勉強方法について説明し、東大法学部4年生で、東進塾で100人以上の生徒を指導した経験があると述べた。秀征は勉強の3ステップ(授業を聞く、ノートを取る、問題を解く)を説明し、成績向上の鍵は「まとめの時間」を取ることだと強調した。武林氏は集中力について、外に向くよりも内面に向き合い、学んだことを整理することの重要性を説明した。各科目について、英語は最終形から始めることが効果的で、数学は解き方を理解すること、国語の現代文は論理構造を把握し、古文漢文は実際の文章を読んでコツをつかむことが重要だと述べた。
受験勉強の効果的方法
武林氏が受験勉強の効果的な方法について説明し、歴史や文化の理解を深めるための漫画や現代語訳を通じて学習することの重要性を強調した。彼は世界史の勉強ではストーリーを先に理解し、その後詳細を記憶する方法や、地理の勉強ではバックパッカーのYouTube動画を視聴して地図帳の内容を補完する方法を提案した。参加者たちは受験経験や学習方法について質問し、武林氏は記憶力と集中力の向上のために十分な睡眠を取ることや、学習内容をストーリーに結びつけることの重要性を説明した。会議の最後に島谷氏がアンケートの結果を共有し、参加者の属性に応じた今後の議論を計画するために質問を始めた。

思春期男子の学習支援戦略
島谷氏は中学生男子の学習支援について、特に思春期男子の悩みや反抗期の対応方法について詳しく説明した。島谷氏は9年間家庭教師をしており、K君の例では中学1年生から指導し、偏差値が低下した状態から慶応義塾大学進学まで導いた実績があると述べた。島谷氏は子どもたちに気づきを与えることの重要性を強調し、体罰は避けるが、責任を共有することで子どもが行動を改善するよう導く方法について説明した。
家庭教師の効果的な指導法
島谷氏は家庭教師としての 島谷メソッドについて説明し、授業時間以外にも進捗管理や勉強の仕組み作り、保護者と子どもの要求擦り合わせに時間を割くことの重要性を強調した。島谷氏は中学生を大人扱いし、自覚を芽生えさせることや、成功体験を積み重ねることの重要性を述べ、課題をゴールから逆算するアプローチについても説明した。最後に、問題意識、目的意識というキーエンスの行動指針について言及し、効率的な勉強方法について質問することの重要性を示した。
受験経験共有と質疑応答
島谷氏が主導した勉強に関するセッションで、参加者が受験経験について質問を共有した。参加者Y氏とH氏は小学校5年生の男子の受験状況をチャットで報告し、Y氏はご子息が勉強の意味について質問していることを述べた。16時から開始した勉強会は17時30分に一旦休憩が取られ、再開後に質疑応答形式で進行する形となった。
教育方法と子育ての議論
島谷氏と武林氏が子供の教育方法について議論し、両者とも強引な親の教育スタイルが反抗期を招く可能性があると同意した。島谷氏は小学校時代に親のサポートが重要だったと述べ、武林氏は灘中学受験時に親の強制的なアプローチが自立性と反抗を招いたと説明した。両者は、子供の個性に合わせた教育方法の重要性と、塾の必要性は家庭内状況に応じて見極めるべきだと合意した。
学業とスポーツの両立について
この勉強会では、参加者たちが学業とスポーツの両立についても議論し、武林氏が灘中学受験時にサッカーチームに参加していた経験を共有した。島谷氏は遊びやスポーツが学習に与える主体的時間の重要性について説明し、参加者Y氏は大学受験も経験し、学びの経験があるにも関わらず、今、勉強の意味について疑問を抱いていると述べた。島谷氏は数学が論理的思考の筋トレであり、国語は語彙力と読解力の向上に必要だと説明し、義務教育は将来の専門分野学習の基盤となることを強調した。
学習動機付けと中学生へのアドバイス
島谷氏は子供の学習に対する動機付けについて議論し、予防接種のような概念を用いて子供に学習の価値を理解してもらうことの重要性を強調した。武林氏は自身の経験を共有し、東大への憧れが勉強への動機を提供したと説明した。参加者N氏は中学生のご子息への勉強そしてモチベーションに関するアドバイスを求め、島谷氏は自信の喪失や学習方法の変化が原因である可能性を指摘し、武林氏は中学生の「だらだら」期は自然なことであると述べた。島谷氏は、子供も能力や環境が違うため、じっくりと向き合い個性を伸ばす時間をつくることを推奨した。そして、教育のプロである第三者を介入させることで、学力を効果的に伸ばすことは出来ると説明した。最後に合宿プログラムについて説明し、参加者は3日間のセッションで実践的な学習アプローチを経験できると述べた。
本勉強会を主宰する島谷悟氏が代表する株式会社ロマネスジャパンHPは下記です。
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